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私はそのストーリーテラーになろうかな

短歌蛇足まとめ #J31gate 寄稿分

ジャニーズアイドル短歌のWEB歌集「J31gate」はご存知でしょうか?

 

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2019年8月から毎月5日に発行され、存在を知って以降読む側と詠む側の両方として毎月楽しみにしていました。

毎月素敵な短歌がたくさん集まるのももちろんですが、デザインも素敵で、テーマにピッタリのレイアウトにいつもうっとりしておりました。それだけでなく、寄稿すると運営さんから丁寧にお返事を頂けて、感想まで頂いたりして、このやりとりを毎月100超繰り返してらっしゃるのか…と思うと頭が下がる思いでした。

そして、お一人で、非営利で運営なさっているにもかかわらず当たり前に毎月あるものと甘えてしまっておりました………

11月分発行に際し、次回開催は未定と発表され(以前から言及されていたのに私が気づいてなかっただけだったらごめんなさい)、J31gateさんのない来月を思うと淋しく思います。

ですが、きっと毎月のご負担も大きかったでしょうし、しばらくゆっくり休んで頂けたら…と片隅から願っています。

 

運営さんも今回ひと区切りつけられたということで、過去私が寄稿した/選外とした短歌(とその蛇足)をまとめておこうかな、とこのブログを投稿した次第です。

 

 

 

第4回:テーマ「クリスマス、冬」

初寄稿がこの回でした。

まだアイドル1人に対し先着順で2首までを受け付けるという規定だった頃。

一世殿下の枠が空いているのを見かけ、「一世殿下×冬なんかめちゃくちゃ浮かんでくるでしょ!!!」って、勢いでエントリー。とか言いながらめちゃくちゃ難産でした。

 


いつの日か 青春ではない冬にしよう

四季色の恋人(きみ)と 永遠を謳歌

/金指一世


2019年の夏、全Jr.担を虜にした(豪語)「おいで、Sunshine!」の金指くんソロパート「本気、秋&冬だって青春じゃん?」から言葉を借りて。

猪狩さんがこのパートを含むRAP詞について「結婚的な」と言っていたと聞いて、金指くん×結婚のイメージで詠みました。夏に出会った恋人たちが青春の秋冬をいくつか超え、四季折々青春ではなく永遠を楽しむ姿を思い描いた歌です。夏色の恋人から成長させたくて四季色にしたけど、それ一体どんな色なんだ。

 

 

選外

君だけに教えてあげるよ とくべつに

うつくしいものは皆 冬に生まれた

/ 金指一世

 

選外。最初に思い浮かんだもの。

冬といえば金指くんのお誕生日がある季節だな、とプロフィールを確認したところ、美 少年のほとんどが冬生まれと気付いたことがスタート。

美しいものが全て冬生まれなんて当たり前に嘘なんだけど、冬生まれの美しい金指くんが言ったら信じちゃいそうだなと思って詠みました。

このまま冬という季節1つを自分のものにしてしまえるアイドルになってほしいなという願いを込めて。

 

 

 

第5回:テーマ「花」

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かきつばた 丹つらう君をあやめより

美しいのだと思う 私は

/ 松村北斗

 

着想は2018年のJr.祭りSixTONES単独コンで披露した北斗ソロ「あやめ*1」より。

いっちょまえに枕詞なんか使ってみたかなりチャレンジの歌です。 「杜若」は「丹つらう(=赤く照りはえる)」の枕詞らしく、当時お披露目されたばかりだったデビューシングル・Imitation RainSixTONES(≒原石)の名にピッタリだと思って使いました。

「あやめ」の歌詞にある「いずれ菖蒲か杜若」はどちらも優劣つけがたいと言う意味の慣用句。事務所箱推しの私は全ジャニーズアイドルに対してそう思ってはいますが、SixTONESの北斗さん(かきつばた)をすぐれた他のアイドル(あやめ)たちよりいっとう美しいと思ってしまう、という気持ちを歌いました。

ラストであくまで自分はという補足をつけたのは、当時デビュープロモ中でどっちがどうだって比較する物言いが世に多く、疲れていた気持ちも乗っているかなぁ、と。私は私のかきつばたを美しいと思ってるし、他の誰かがあやめを、はたまたハナショウブを美しいと思っていても関係ないよ、というお呪いみたいな歌です。

蛇足の蛇足ですが、「丹つらう」は本当は恋する女の子の頬を形容するのに使ったりするらしいんで、そっちで解釈しても面白いかもなって思ったり。

 

 

 

第8回:テーマ「星」

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宝石とか星とか黒とか アイドルとか

どうやら俺は輝るものらしい

/ 松村北斗

 

テーマがテーマなので北斗担がいつも以上にイキイキしてた回。私もイキイキしてました。

宝石(SixTONES)とか、彼の名(星)とか、アイドルという職業とか、光り輝くものばかりを冠せられた彼を、妙に俯瞰で自分を捉えているような気がする北斗さんの1人称形式で歌にしました。

黒色は、私個人としては光らない色と認識しているのですが、北斗さんのメンバーカラーとしての黒は輝いて見えるので、その気持ちを込められていたらなと。「光る」ではなく「輝る」なのも多分そういうワードセレクトだったのかもしれない。

 

 

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月の使者 冬の星座で寝てるかも

おかげで彼は 今も人の子

/ 京本大我

 

僭越ながら大我さんを。

2019年秋、Rough "xxxxxx"で幼少期の写真が映る演出を目撃した帰りに思ったことをそのまま。「あんなに美しい子なら月の子に違いない。帰らずにまだこの地上にいてくれてありがとう…」と。

別世界の人なのに大我さんがここに居るのはきっとお迎えの方が寄り道をしてるせいなんだ、その方もきっと坊っちゃんに似て寄り道がお好きなんだろうな、ってイメージで。どうか出来るだけ長く休憩しておいてほしいです。

ところで何で冬の星座なんだろうか?彼が冬生まれだから?ここはホントに感覚です。

 


選外

赤色の星をめざして 歩き出した

誰かの標に 俺もなれるか

/ 松村北斗

 

「NEWSの真ん中で真っ赤な服を着て踊る山下くんにあこがれてアイドルとしての道を歩みだした、けど今黒い服着てグループの端っこで踊ってるの不思議だよね(意訳)」みたいな話をしてらしたのが凄く胸に響いてて、それを31文字に落とし込みたかった……………けど推敲が上手くいかず寄稿を断念。

山下智久さんがいたころのNEWSといえば私は「星をめざして」の頃で、北斗さんが山下さんに憧れたドラマ「クロサギ」も大体同じ頃ですし、北斗さんの名前と絡めて使わせてもらいました。

北斗さんのお名前は「北斗七星のように誰かの標となるような子になれますように」とつけられたと聞いたんですが、相変わらず私はソースが分からないです。この願い、ものすごく叶ってますよ、ご両親!

 

 

 

第11回:テーマ「街」

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おもしれぇな ミドリばかりの町からさ

黒い街に飛ぶ 黒服(おれ)が生まれたの

/ 松村北斗

 


テーマを見て「町」じゃなくて「街」か、と思ったことが発端。

お茶の国である静岡の「町」を歩く緑ジャージの中学生だった北斗さんが、黒服を着てNAVIGATORのMVで夜の「街」を飛ぶイケメンになった………と思ったけど、北斗さん……北斗さん………飛んでは……ない…………?*2あくまでイメージです。ほら、街中に曲やMVや何やらが流れると街を飛んでるみたいでしょ……?と強引にまとめてしまいますね。

黒服に「おれ」のルビを振るのは厳しいかと思いましたが、北斗さんの島田市時代のシンボルとも言っていい緑ジャージと対比したくて………。ちょうど自粛期間で私が部屋着の中学ジャージを着る機会が多かったのでどうしても出したいという執念がありました。

毎度のことながら歌集のデザインが可愛く、今回は「街」らしく短歌が1つ1つがビルになっているものでした。私の短歌のビルが文字数の関係で周りよりちょっと高くて、彼が街を飛ぶのに役立ちそうだ、なんて思った回でした。

 

 

 

第12回:テーマ「対」

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図書委員は背中合わせを夢みるか? 答えを見つけにゆく松竹座

/ 奥村颯太


奥村くんの歌はこれが初寄稿です。

「今回はシンメ企画です!」と告知があってすぐ、「奥村颯太 シンメ」で脳内検索をかけました。

というのも彼はKinKi Kidsに憧れて入所した筋金入りの図書委員。背中合わせの存在への憧れがあるのではないか?という疑問はずっと私の中にあり、しかし固定のシンメがいません。片鱗でもいいから彼のシンメにまつわる何かを松竹座で見つけられたら……とずっとずっと息巻いていました。私の初の春松竹(2020年3月公演)は感染症のせいで消えましたが……

ただ、春松竹の一部を配信してくれた映像の中で、彼のシンメ位置にずっと同じ男の子、それも凄く綺麗な彼の同期がいてくれたことは忘れられません。

Twitterでもご指摘いただいてたんですが「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」というSF小説のタイトルのパロディです。寄稿と同時期ころ公開の映画「窮鼠はチーズの夢を見る」に引っ張られた感もあります。

 

 

142

対[名]シンメ。VS。向きあうこと 。(出典:アイドル用語辞典)


テーマ「対」を見た時、シンメより先にVSが出てきてその後シンメも確かに対(つい)だなと気づきました。ならばアイドルにおける「対(たい/つい)」を歌にそのまま落としこもうと思った結果、ホントにそのままになりました。

辞書の[名]や[動]を私は「めいし」「どうし」と読むのですが、人によってはそこの読み方をわざわざ意識してなかったり違うように読んでいたりして、どういう音の流れなのか把握できずモヤっとさせてしまったかもしれないなと反省。

この歌は匿名での寄稿。SixTONES vs SnowManのVS売りに対し、肯定とも否定とも結論を出していない私とVSに言及する歌を結びつけるのはなんとなく怖いという葛藤から名前を伏せていましたが、今はもういいかなと思って載せました。

 

 

 

第14回:テーマ「纏う」

025

羽衣をなびかせ跳んで飛ばないのは 地上に未練を持っているから?

/ 松村北斗


北斗さんの衣装はどれも好きですが、俗に言う「帝劇衣装」の蝉の羽みたいな衣装を始めとする、裾の長い羽織が特に大好きです。彼の持ち味であるダイナミックな跳躍と、それによって美しく時に激しくはためく羽織の裾をイメージして詠みました。人ならざるものが纏う羽衣のようで、これは見てもいいものなのか…?という気持ちになります。けれど私はどこまでも北斗さんは人間で、地上の情に縛られていてほしい気持ちもあったので、こういう謎のワードセレクトになったんだと思います。

発行後すぐのツイートでは「北斗さんがパフォーマンスで時折見せる、どこかへ行きそうで行かない/行けないような雰囲気も込められていたら…」とか言っていたのですが、本当のところはどういう気持ちで詠んだのか今じゃわかりません。多分過去イチで感覚で詠みましたね。

 

 

 

おわりに

アイドル短歌を自分で詠んだりはしていても誰かに見せる勇気はないという状態が続いていた中、J31gateさんに出会い、アウトプットの場を得ました。

寄稿のために推敲して、俯瞰して、時には誰かに感想を頂いたりして、自分1人で楽しんでいた時よりずっとアイドルとも短歌とも向き合うことができました。

まだまだ上手ではないですが、J31gateさんに与えていただいた楽しみをこれからも大切に育てていきたいと思います。

#J31gate さん、素敵な企画をありがとうございました。またお会いできる日が来たらすごく嬉しいです。

 

*1:加藤シゲアキ御大の楽曲

*2:NAVIGATORのMVでは着地してるような?独特の走り方をしているような?シーンはありますが、飛んでいるシーンはない